こんにちは!
shiyyaです
皆さん、児童相談所って聞いたことはありますよね?
大体ニュースなどで耳にするあまり印象の良くない
機関だとは思いますが…
私は前職が児童相談所の一時保護所の保育士です。
一時保護というのは事情があり保護者の監護下での生活が
不適切な状態になったり、出来なくなった場合に
文字通り一時的にお預かりし、生活させる施設です。
その実態は本当にベールに包まれ、
想像やあることないことメディアに書かれている事が多いです。
私は職員として、体験したことをそのままにお伝えします。
もしご存じない方や、ご興味のある方に
その実態を知ってもらえたらと思います。
ただし、これからお話しする内容は
私がいたことのある一時保護所のことについてですので、
他の一時保護所がみな同じという事ではないので
いち一時保護所の実態として捉えてくださいね。
今回の記事については3回ほどに分けて
更新しますので、
続きはまたチェックしてくださいね。
1.どうしたら一時保護になるの?
2.一時保護から退所まで
3.一時保護所ってどんなところ?
-----✂今日はここまで✂-----
4.一時保護所の1週間
5.職員はどんな人?
6.保護所でのトラブルの色々
-----✂次回はここまで✂-----
7.退所した子供たちのその後
8.メディアの報道と実際について
9.元職員としての願い
-----✂次々回はここまで✂-----
1.どうしたら一時保護になるの?
一時保護になる場合はいくつかパターンがあります。
まずは警察からの送致の場合。
警察で認知した案件のうち、
警察が判断して一時保護を決定した場合は
基本的に児童相談所に拒否する権限はなく
一時保護となります。
要保護児童、というものが主です。
迷子に関してもこれが該当します。
次は病院や学校、保育園からの通報があった場合。
通報内容に応じて、保護が必要と判断をした場合。
不自然なけがをしているなど
明らかに異常な状況が認められる場合を中心に
調査目的でも一時保護をします。
例えば学校で子どもが親との関係を理由に
帰宅を拒否した場合など。
あとは、児童相談所の調査により、
一時保護が必要と認められた場合、
迎えに行って保護もありますし、
来所して直接保護という場合もあります。
保護者が入院の必要があり、
誰も他に適切な監護者がいないなどが
主な例になります。
場合によっては両親の同時逮捕なんて
パターンもありました。
深夜の一時保護も毎日のようにあります。
私たちに確実な仮眠は存在しません。。。
2.一時保護から退所まで
一時保護されると、迷子などの緊急保護での特殊なパターンを除いて
入所するとすぐには退所することはできません。
なぜかと言うと、保護に至った原因について調査をし、
その保護に至った理由がきちんと解消されたことが確認されないと
保護解除とならないからです。
保護した後の行先は主に5パターンです。
①監護者の居る自宅等に帰宅
親もしくは親が監護できない場合は祖父母宅など
適切な親族宅があればそこに帰宅することがあります。
保護時の保護理由が解決できる道筋が見え、
再構築が可能と判断された場合です。
②児童養護施設に入所
保護理由が解消されなかったり、
監護者が積極的な協力をしなかった場合、
もしくは本人の帰宅への強い拒否感などを
総合的に判断して再構築が現時点で難しいと判断されれば
児童養護施設に入所します。
現在児童養護施設の空きは少なく、
一時保護所の入所期間が長くなる傾向があります。
児童養護施設に入所しても、
その後再度帰宅できる環境が整えば
退所して帰宅することも可能です。
③援助ホームに入所・住み込み就職
援助ホームというのは、寮生活のような生活をしながら
仕事をして、今後自立していく資金を貯める所です。
貯金額や、携帯などの料金等も寮の職員と
きちんと相談しながら決め、
その目標から反れないように
援助を受けながら生活をします。
また、ホームへの入所でなくても、
住まいを構えることが難しく、
まず今後の為の仕事と
貯金が必要な場合に、
旅館や食堂などの住み込みでの就職をする場合があります。
④児童自立支援施設
これは、帰宅が適当でないと判断された場合の中で
本児に生活習慣の立て直しや
規則正しい生活が必要と判断された児童について
入所する施設です。
敷地内に地区の分校も設置されており、
学校にも通うことができます。
生活のすべてをおおむねその敷地内で過ごし、
起床から入眠まで規則正しい生活を送ることで
退所後の自律した生活を営む力を育みます。
⑤里親
こればご存じの方も多いと思いますが、
特に小さい子どもに多いパターンです。
期間限定で預かって頂くパターンもあれば
最終的に養子として迎える可能性のあるパターンもあります。
専門里親として、様々な児童に対応できる里親さんも
存在し、実は高校生までの児童対応可能の
里親さんもいるんです。
いずれにしてもマッチングなどに
時間を要することもあるため、頻繁ではありませんが
子どもがより家庭的な環境が必要と判断された場合に
選ばれることの多い選択肢です。
こどもにとってどの道が最善か、
とても究極の選択となる場合も多いよ。
3.一時保護所ってどんなところ?
一時保護所は基本的に児童相談所に併設されています。
名称はその自治体によって異なることもあるので
児童センター、少年センターなどという
名称のところもあるかも知れません。
基本的に
居室、浴室、食堂、教室、プレイスペース、
トイレ、職員事務所などが設けられています。
施設によっては体育館のような
運動ができるスペースや、
所庭のある保護所もあるようです。
私の居た保護所は
1階に居室、静養室、リネン室、浴室、食堂、
ラウンジ、トイレがあり、
2階には教室、体育館、幼児用のプレイルームが
ありました。
よく、鍵がかけられていて閉ざされた所、
逃げないように監視されている、
などと言われていますが、
あくまで保護する場所なので、
塀が高かったり、部屋に鍵がかけられたりするわけではありません。
(もちろん施錠の機能自体はあり、
安全管理のために閉鎖する必要がある場合に施錠することはあります)
もちろん親御さんとの接触が不適切な場合もあるので
まるっと中が見えるようにはなっていないです。
但し、親御さんから預かっている児童の
安全を確保するために、
もちろんそれぞれの児童の所在は
常に把握していますが、
たまに逆に塀を乗り越えてくる
親族や知人の方もいらっしゃるので、
外部からの入り口については
施錠している事もありますし、
センサーや監視カメラがついている事があります。
これを監視というなら、特に反論するつもりもありませんが、
もしお子さんを所内で見失ったときに、
『見てませんでした』
『カメラがないので所外に出たかどうかは知りません』
などの言い分は通用しないと思っています。
無断外出は職員にとってもショックで
とてもキツい出来事なんですよ
あと勘違いしている方も多くいらっしゃるのですが
私たちに居室など子どもが生活する空間に
かぎをかけて閉じ込める権限はありません。
(過去に自己都合でかけ、処分を受けた方も知っています)
あと、多感なお年頃のお子様の場合、
所外に無断で出ていくことがありますが、
それについても私たちは刑務官でも
何でもないので、止められないことがあります。
彼らは勝手に鍵を開け、自らの意思で出ていきます。
私たちも例え目前で発見して説得したとしても
それを振り切って出て行ってしまうこともあります。
『なんで逃がしたんだ』
『見ていなかったのか』
言われることも多いですが、
捕えていないので、
逃がす、という表現がそもそも間違っていると思いますし、
私たちの仕事は逃がさないことでも
監視をすることでもありません。
子どもが安心安全に生活ができる
環境を提供し、健康的で規則的な生活を
送る援助をすることです。
例えば逸脱する1名を見るために
他の30名ほどの児童をほったらかしにするのも
私は違うと思います。
何が正解か、常に職員は問答しながら
保護所の運営に携わっているのは間違いありません。
全部の子どもたちの安全や安心を守る事って
とても責任のある仕事。
子どもたちは基本的に
身体を動かすために行く公園や
図書館などの教育目的の外出以外は
外部に外出することが少ないです。
学校にも通えないため、
入所中は所内の指定の場所で学習を行います。
この期間はこの学習時間をもって
出席とみなすように文科省からも通達が来ています。
ですから、私たちは寝食も共にしますし、
学習も生活もすべて指導します。
先生であり、家族の代わりでもあります。
礼儀、生活習慣、学習、人間関係など
あらゆることの基礎を一緒に学びます。
私は勉強でもなんでも
ひとつ出来る事が増えて退所してほしい
という気持ちで援助にあたっていたよ
法律上は2か月を限度とする事が
明記されていますが、
施設入所したくても空きがなかったり、
親御さんの同意が得られず裁判に持ち込むケースも多いため
帰宅にならないケースのほとんどは
この期間を超えてしまいます。
最終的に帰宅となるケースも
帰宅後のサポートの環境づくりや
保護前の状況と、どこを修正して生活していくかの確認に
時間がかかることがあるため、
保護期間は長くなる傾向があります。
私の知っている最長保護期間は
なんと2年だよ!!
次回予告
4.一時保護所の1週間
5.職員はどんな人?
6.保護所でのトラブルの色々
の3項目についてお話しします!
また育児に関する話の合間に投稿します!
ぜひ読みに来てね!
コメント